第244話: 根深い怒りや悲しみを癒す方法。今、あなたが出来ることは?
自分関係®カウンセラー(臨床心理士 / 公認心理師)の高橋雅美です。
前回のブログでは、イライラや怒りへの対処法についてお伝えしました。怒りには、一次感情というのがあるのですね。一次感情、つまり怒りの原因になるもとの感情のことです。
例えば、悲しみや罪悪感、不安、諦め、悔しさ、納得がいかないなどの様々な感情があります。あるいは体調が悪いなどの状態が原因のこともあります。
悲しさや不安、悔しさなどの感情が、心の中で十分に消化できていない場合、ちょっとしたきっかけで、それが怒りとなり時に爆発してしまうこともあるのです。
例え話を例にわかりやすくお伝えしていきますね。貴女の職場の同僚に、いつもイライラしている方がいるとします。口調はトゲトゲしく、何故か穏やかなコミュニケーションが出来ません。そしていつも、やや上から目線で否定的な物言いをしてきます。仕事を依頼された場合でも、「どうして私が?私の仕事ではありません」とイライラした口調で言い返してきます。
こういう方が身近にいると、まわりも気を使いますよね。そして貴女はなんとか、このような方とも、冷静に穏やかに会話をしようと思っているのにも関わらず、いつも「戦闘ムード」でピリピリしているので、ほとほと疲れてしまっています。
この方のように、いつもイライラして戦闘モードでいる本人の方も実はとても辛かったりします。なぜなら、この方は自分自身のことを好きではないし、認めていないし、受け入れてもいないからです。簡単にいうと、心が満たされていない状態ということです。
つまり、この方が感じているイライラや怒りは、目の前の貴女や目の前で起こっている出来事が原因というより、過去の自分、例えば、親から十分に愛情を感じることが出来なかった、あるいは逆に親の過保護で、勉強してよい点数を取る自分しか認めてもらえなかったなどの過去の出来事に起因している場合があるからです。そのことで、今も何等かの心の傷を持っているのかもしれません。
自分は大切にされなかった、十分に認めてもらえなかったという過去の悲しみが、現在の怒りに関連しているのですね。
貴女自身も何か思い当たることがありますか。もし、ほんの少しでも○○されただけで、非常に腹が立つとか、○○という言動をする人に対して常にイライラが続いてしまう・・・など、自分の怒りのスイッチが入る人物、出来事などを理解している方、そして同じような任物や出来事に対して過剰に反応してしまうのであれば、もしかすると、以前の悲しさや悔しさが十分に消化できずに、くすぶっているのかもしれません。
その相手の言動や出来事が貴女の心にある「未消化な感情」を刺激してしまうのでしょう。これらの感情はなかなか根深く、簡単に解消しないことも多いのですが、貴女が出来ることが1つあります。
もし、その未消化な感情が過去の出来事とつながっているのであれば、過去の辛かったこと、悲しかったことを静かに思い出してみましょう。その当時の貴女は、辛くて悲しくて、悔しい思いをしています。その当時の貴女に、今の貴女が優しく声をかけ、認めてあげて欲しいのです。
「あの時は辛かったけれど、よく頑張ったね」
「なかなか認めてもらえなかったけど、今、元気で健康に生活できているのは凄いよ、偉いよ。」
「いつも否定的な言葉ばかりを浴びせられて辛かったよね。でも今はその人はいないから大丈夫だよ」
過去のことを思い出したくない、思い出そうとしたら辛くなった・・・場合は、今は時期ではないのでしょう。そのような時は無理しないでくださいね。
昔の辛かった記憶は書き換えることが出来ます。それには、貴女自身が、当時の自分に対して、優しく、愛情にあふれた言葉をかけ続けることが大切なのです。ずっと心の中に溜まっている悲しみが少しずつ癒された時、怒りからもしだいに解放されることでしょう。
まとめ
過去の自分に丁寧に愛情をこめて声をかけよう
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