第226話:人に相談できない、弱音を吐けない。頑張りすぎのあなたへ
K代さんは、お母さんが病気がちで、精神的に不安定でもあったので、幼少時から「お母さんに迷惑をかけてはいけない」とずっと思ってきました。実際、K代さんのお母さんは、気持ちが不安定になると塞ぎがちになり、機嫌が悪くなってしまったので、子どもたちはそんなお母さんに遠慮するようになってしまっていたのです。
何か学校や友達関係で困った時でも、K代さんは、「お母さんに相談したら、お母さんが困ってしまう。」と思いこみ、誰にも相談しないできました。それをまわりの大人たちが勘違いをし、「K代はとてもしっかりした子どもだね。安心だね。何も心配いらないね。」と言っていました。
そのため、K代さんは、今度はその期待に応えなくてはと思うようになり、物分かりの良い子、出来の良い子、そして大人を困らせない子を演じなくてはならなかったのです。
社会人になってからのK代さんは、しだいにお母さんとは心の距離が取れるようにはなったものの、優等生であることには変わりありませんでした。本当はもう少し心を楽に緩めたいと思ったことがあったとしても、いつも自分にも他人にも厳しくしていました。
「そんなことは出来て当たり前」というのがK代さんの口癖でした。だから、K代さんは、本当は辛くて誰かに頼りたくても、じっと堪えて、なんでも一人で抱え込んでしまうという心のクセを持つようになってしまったのです。
人に弱音を吐けない、頼れないと悩んでいる方の中には、K代さんのように、幼少時に大人に頼ったり、泣いたりわめいたり、子どもらしく振る舞えなかったという方が多くいらっしゃいます。
人に頼るなんて弱い人間だ
弱音を吐いたら、なんてヤツだと思われてしまうに違いない
私はすぐ頑張れなくなるから、しっかりしなくてはいけない
と、自分の感情や行動を自分自身で制限しているのです。
ですが、本人はいたって真剣に、真面目に、「自分のことは自分で解決しなければならない」と考え、悩んでいるのです。人によっては、体や心が悲鳴を上げていても、気づかない方もいます。気づいていても、無視してしまう方もいらっしゃいます。
頑張りすぎて、疲れ果て、身動きがとれなくなる。そうなって初めて、「もうだめだ」と気づくのですね。カウンセリングでも、頑張りすぎの方、自分ばかりを責めてしまう方など自分に厳しい方がたくさんいます。
それはこれまで生きてきた考え方のパターンなので、すぐには修正できません。それでも、まずは自分の気持ちに気づき、体や心の声に耳を傾けることで、少しずつ、本当に少しずつですが、心のクセから解放されていかれます。
小さい頃、本当はお母さんに頼りたかった、甘えたかった、我慢しないで本当の気持ちを伝えたかった・・・・満たされていなかった自分に気づくことで、少しずつ「楽になりたい」という気持ちに気づき、実際に変わっていかれるのです。
もしあなたが今、自分はいつも頑張りすぎてしまう、人に頼ること、弱音を吐くことは絶対にしてはいけないと思っていて、そのことで心が苦しいのであれば、小さい頃から続いているご自分の心のクセを見直す時期なのかもしれません。
人に頼る、弱音を吐くことで嫌われることはありません。もちろん、そのことで嫌ったり、あなたのもとを去っていく人がいたのであれば、本来つきあうべき仲間ではないということです。
頑張りすぎと感じたら、少し心の手綱を緩めてみましょう。怖がらずに、信頼できる人に頼ってみましょう。行動することで、あなたのクセは変わっていきます。
<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>
まとめ
頑張りすぎるのには「理由」があります。自分を少し甘やかすことから始めましょう。
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