第202話: 無意識に、「相手を喜ばせたい病」にかかっていませんか?
自分関係®カウンセラー(臨床心理士)の髙橋雅美です。
Rさんはいつも表情が明るく、テキパキと行動して、職場ではとても頼りにされています。そのことが、Rさん自身の誇りでもあり、自信にもなっています。
ですが、実は最近、ちょっと疲れているなあ・・・と感じていました。仕事は楽しい。同僚や部下もいて、みなイキイキと仕事をしている。家庭でも、夫は忙しい中でも家事にも協力してくれる。
なのに、自分は疲弊するばかり。Rさんは、ふと立ち止まって何でかな?と考えてみることにしました。
そこで気づいたことは、Rさんは、家庭でも職場でも口癖があるということです。その口癖とは、「いいよ、いいよ、私がやっておくから。」という言葉です。
つまり、本来なら相手がやるべきことも、なんでもかんでも引き受けてしまい、私がやっておくね、となってしまっていたということです。
どうしてそんなことをしてしまうのか?相手に任せられないから?いえいえ、Rさんの場合は、相手の喜ぶ顔が見たいからなのです。
多くの人が、Rさんに向かって「本当!助かります~」とか、「やってくれるなんて有難う。お願いします。」と言葉を返します。それがRさんのやる気にもつながっていたのですが、それで疲れてしまっているのですね。
これは、無意識のうちに「相手を喜ばせたい病」で自分を犠牲にしているようなものです。こんな時、自分を取り戻すためにすべきことは3つ。順を追ってお伝えしていきますね。
喜ばせたい 理由を考えてみる
まず、Rさんはどうして自分は必要以上に相手を喜ばせたいのかを考えてみました。そこには、誰かから必要とされたい!と思っているRさんの心がありました。
これは誰でももっている心ですね。ですが、Rさんは、「人から必要とされないと自分は価値がないと思っていた」のです。
それは幼少時に、Rさんが親から「良い子」であったり、「親の自慢の子」であったり「親を喜ばせる子」であることを求められたという体験に関係していたのです。
これはRさんが悪いというのではなく、そのことで自分を犠牲にしてしまっているという事実に気づいていくという大切な第一歩でした。
自分が喜ぶことは何か。自分の心が喜ぶことを考えてみる。
Rさんは、相手を喜ばせたいという気持ちが人一倍強いのですが、それを除いて考えると、自分が好きなこと、喜ぶことはあまり思いつきませんでした。
相手が喜ぶことが自分の喜びだったからです。でも、正直なところ、それがしんどくなってきているRさん。あらためて自分の心が喜ぶことを考えてみました。
これはある意味Rさんにとってはしんどいことでもありましたが、少しずつ、自分の感情に気づき、それを大切にしてよいのだということに気づかれていきます。
相手の自立をサポートするように関わる
実はRさんのように、本来なら相手が自分の成長のためにやるべきことを、なんでも引き受けてしまう人は、相手の成長を阻んでいる場合もあるわけです。
Rさんにとって、このことは受け入れがたいことでもありましたが、自分が良かれと思ってやっていることが、相手にとって良くないことかもしれない・・・
自分の心が喜ぶことを考え始めていたRさんだからこそ出来たのですが、しだいに「私がやっておくね。」の害について考えるようになり、それを言いたいときも、グッとこらえることが出来るようになってきたのです。
つまり、Rさんは以前のように気前の良い言葉を言わなくなったのですが、職場でも家庭でも誰一人、Rさんは変わったと言わなかったそうです。
Rさんは、常に相手を喜ばせたい!と思っていたのですが、相手の方はRさんのその言動を大して気にしていなかったということ。Rさんはいまでも人気者で、頼りにされているのです。
<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>
まとめ
誰かを喜ばせることに疲れた時は、「自分が喜ぶこと」に目覚めるきっかけになる
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