第160話:目の前にある悩みを、すこし○○な視点で見てみよう!

F美さんは、50代で外資系企業を退社し、中小企業に再就職しました。これまではほとんど残業ばかりでバリバリと働いていたのですが、少し早めに働き方を変えたいと望んでの転職でした。

つまり、残業続きの働き方を辞め、少々報酬は少なくなっても良いから、もっと自分の自由な時間が欲しいと考えてのことでした。そしてこの自由な時間でカウンセラーの資格を取ろうとしています。

カウンセラーの資格を取ってからは、会社での仕事も少しずつ減らしつつ、カウンセラーとして人を支援する仕事をしたいと考えているのです。

そのような先を見据えての転職。気持ちの整理や覚悟を持つのに時間がかかりましたが、F美さんは当初イキイキとしていました。ところが・・・

転職をした中小企業では、F美さんが以前勤めていた企業と仕事の仕方が全くというほど異なり、その違いについていくのがしんどくなってしまったのです。

しんどいというのは、慣れるため、覚えるためのしんどさというよりは、気持ちがついていかなくなったのです。F美さんは、現在の職場で、社員の営業に対する姿勢がほとほと嫌になってしまったのですね。

A社は、そもそも社長が○○だから・・・
B社は以前○○だったから、今回も△△に違いない・・・
などと決めつけて、過去のやり方を決して変えないのだそう。

A社もB社も以前とは状況が変わっているかもしれないのに、今まではこうだったという先入観で営業をしているというのです。F美さんはその先入観をどうしても受け入れられず悩んでいました。

悩んでいるだけならまだしも、そのような会社のやり方、社員一人一人に対して怒りまで感じるようになってしまいました。このやり方を続けていったら会社はダメになってしまうに違いない!

とばかりに、同僚たちのことを許せなくなっていたのでした。丁度この時期にカウンセリングを申し込まれたのですが、実はこのお悩み、あっけなく終わってしまったのです。

というのは、F美さんは、同僚たちが顧客に対して先入観を持って仕事をしていることを怒っていました。批判していました。それをカウンセリングで話すうちに気が付いたのです。

F美さん自身も彼らに対して先入観を持って接していたということに。そして自らこう話されました。「先入観を持っていたのは自分も同じだった。実は近いうちに社内で慰労会があるので、少しリラックスした場で、同僚たちとその点についてやんわり自分の考えを伝えてみようと思います。」

これは目の前にある状況にのみ囚われるのではなく、F美さんが自分自身のことや、この状況のことを少し距離を置いて俯瞰的にみられるようになったから。

カウンセリングで私自身は、F美さんの話したことを、「それは、こういうことですね。」とだただた整理しただけでした。さて、F美さんが慰労会後にどのように変化したのか次回が楽しみです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
物ごとを俯瞰的に見ることで、捉え方や考えが劇的に変わることもある!

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