第191話: ダメな自分を受け入れられない・・・そんな自分に気づいた時
自分関係®カウンセラー(臨床心理士)の髙橋雅美です。
K子さんは、とても優秀で真面目な性格。そのため他人にも厳しいのですが、それ以上に自分に対しても厳しいのです。そんな性格もあってか、上司が変わってから、相性もあまりよくないこともありだんだんとこれまでのように仕事で成果を出せなくなってきてしまいました。
食欲もなく、しだいに眠りも浅くなり、とうとう会社に行くのが億劫になってしまったのですね。そこで、以前参加したメンタルヘルス研修で学んだことを思い出し、自ら心療内科を受診されたのです。
メンタルクリニックをすぐに受診するなど、ここでもK子さんの真面目さがうかがえます。主治医の先生からは、少し休んでみたらどうかと言われたのでした。
休みといっても休職というものではなく、有給休暇を使ってのんびり休養するという意味です。ところがK子さん、ここで自分に厳しい性格のためか、「今、自分は休めない。そもそもこれは病気ではないのだとしたら、甘えではないか。あ~、自分が情けない。」
と思うようになってしまったのでした。
これは甘えである
そんな自分が情けない
というのは、K子さんが普段より、自分に対して完璧なイメージを抱いており、実際、そのイメージに少しでも近づくように日々努力してきたからなのです。アクセル全開でとにかく全力で前に進むということをずっとやっていらしたんですね。
そのため、休みということが、悪いという考えに結び付いてしまっているのです。そもそも前に進んできたことが、疲労感になり、今回の不調にもつながっているのですが、休む、楽しむということがK子さんの罪悪感と強く結びついているのです。
このようなK子さんに対して、まわりからは、
そんなことないよ、頑張りすぎなんだから休んでもいいんじゃない?
甘えではないと思うよ、このまま走り続けたら、燃え尽きちゃうよ。
などと理解ある言葉をかけてくれているのですが、本人はなかなか受け入れることができません。
もしかすると、幼少時に「自分は完璧でなければ受け入れてもらえない」という考えを持ってしまったのかもしれません。そのため、なかなか考えを変えることが難しいのです。変えられないことにK子さん自身もずっと悩んでいるのです。
「自分の考えを変えなければならない」ということですら、K子さんを追い詰めていたのです。それが出来ない自分は情けない・・という悪循環ですね。
K子さんは、主治医の先生との関係が良好だったので、しだいに自分は休んでもいいんだという気持ちになってきています。実際、体の方がしんどくなってしまい、冷静な判断が出来なくなるとことまで追い詰められたので、休むという選択肢しか残されなかったのです。今は、休みながら、少しずつ「理想を追い求めてしまう自分」に気づきはじめています。また、休んでいる最中、以前にハマっていたある趣味を思い出し、上手にリラックス方法も学んでいるようです。
<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>
まとめ
自分に厳しすぎると苦しくなる。でも苦しいと感じた時が変われるチャンスでもある
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