アメリカに留学していた頃、現地のアメリカ人の友人やクラスメートと会話していると、よく、Why? とか Why not?と訊かれたものです。「どうして?」とその理由をよく効かれたのです。
外資系企業に勤めしていた時も、この質問をよくされたという記憶が残っています。自分の英語力も問題もちろんありましたが、そもそもこの「どうして?」に理論的に答えるのが苦手でした。
というのも、「○○だからです」と答えると、今度は、「どうして○○と思うのか?」と訊かれるわけで、しどろもどろになってしまうこともあり、この質問にうっすらと恐怖を覚えるほどでした。
なんというか、追い詰められるような感じがしてしまうのですね。
さて、普段、日本語では、はこの「どうして?」というは「なんで?」という言葉に置き換えられていることが多いのではないでしょうか。
先日のご相談では、夫のある行動をどうしても辞めて欲しいので、それを伝えているのですが、何度言っても夫に伝わらないとお悩みのHさんからでした。
Hさんは普段から自分の思いを相手に上手に伝えられない、誤解されてしまうというのがお悩みでカウンセリングを受けている方でした。つまり、イライラや怒りになってしまうというのです。
何度言っても伝わらないというので、実際に何と言っているのか伺ってみました。すると、「なんであなたは○○なの!」と夫を責めてしまうような口調だったのです。夫の方は責められると思い、その場を逃げる、かわすことになり、Hさんの気持ちを受け取る余裕もなかったのです。
実際には責めているつもりではなく、「どうしてあなたは何度言っても同じことをするの?」という言葉であったとしても、これでは理由を訊いているのではなく、やはり責め立てているように感じてしまいます。
この日本語の「なんで?」というのは、とても使い方が難しいのですね。では、どうしたらよいのか?ということですが、出来れば、この「なんで?」は使わないようにすることをおススメします。
代りに、自分の気持ちを話すのですよ。
「あなたが○○してくれたら、私は嬉しい」
という風にです。
実はここでも質問されるのですが、気持ちを伝えるのなら、「あなたが○○してくれないから、私は怒っている」という表現でも良いのですよね?と。ですが、ポジティブな気持ちを伝えた方が相手は受け取りやすくなります。
相手に受け取ってもらい、行動を変えてもらうために伝えるのですから、この場合もポジティブな気持ちを伝える方がよいのです。
さて、Hさんに伝えて、カウンセリングの中で実際にどう伝えるのか考えてもらいました。Hさんの答えは、ネガティブな気持ちもポジティブな気持ちも両方伝えたいということでしたので、こんな感じになりました。
「あなたが○○しないので、私は悲しい。もしあなたの言い分があるのなら教えて欲しいし、もしあなたが○○してくれたら、私はとても嬉しい。」
Hさんにしては、ちょっとしたチャレンジです。こんな風に伝えたことがないとおっしゃるので、伝える前に練習もしてもらいました。このように事前に練習することも大切なので、お忘れなく!
<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何とぞご了承ください。>
まとめ
「なんで?」と相手を追い詰められたと感じる言葉は使わない。相手が受け取りやすい自分の気持ちから伝えよう。
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