「どうして私はこんなに出来ないの?情けない。」
そんな思いが、心の奥から湧いてきてしまうことはありませんか。
40代で管理職としての責任を背負いながら、業務だけでなく人間関係にも気を配る日々。その中で、他人との関わりがうまくいかないとき、「私が悪い」と自分自身を責めてしまう方は少なくありませ
ん。
一方で、その「責める声」は本当にあなたの本心でしょうか?
実はそれは過去の経験から身についた「思考のクセ」である可能性があります。
親からの厳しい言葉や職場でのプレッシャーなど、さまざまな外的要因が、あなたの中の「もう一人の自分」を形づくっているのです。
「頑張りなさい」の呪縛──親の言葉が心のクセになるまで
例えばお母さんから幼少期・思春期にかけて繰り返し言われていた言葉が心に残り、それが今でも“自分の声”のように聞こえてくる場合があります。
「あなたはお姉ちゃんなんだから、もっとしっかりしなさい」
「失敗ばかりして、どうしてこんなこともできないの?」
「うちは完璧主義なの。できない子に育てた覚えはない」
こうした言葉は、直接的な罵倒ではなくても、「頑張れない自分」を否定するようなメッセージとして蓄積されていきます。
そして大人になった今、何かに失敗したり、人間関係に行き詰まると、次のような思考が自動的に浮かぶようになっていくのです。
「私が悪いんだ。期待に応えられていない」
「もっとちゃんとしなくちゃ。そうじゃないと認めてもらえない」
「失敗するくらいなら最初からやらない方がマシ」
このように、自分へのダメ出しが続いてしまうのですね。
ここで大切なのは、「その声は本心ではない」と気づくこと。
その声は親から言われた過去の自分の中に残っている名残ですが、本当のあなたの声ではなりません。
あなたを否定する声には、 「うるさい、黙って」と心の中で言っていいのです。
心の中の声を静めるセルフケアのすすめ
反対に、「私は私なりに頑張ってるよ」と、その声に反論していきましょう。
そうやって、少しずつ「できない私」を受け入れられるようになると、逆に苦しくなくなるものです。
「そうだよね、出来ない時もあるよね。」
「ダメ出ししていても変わらない。自分が頑張っていることに目を向けよう。」
そんな風に思えるようになっていくのです。結果、心はラクになり、日々の仕事や人間関係にも余裕が生まれていきます。
思考のクセを見直すトレーニング
ただ、この「思考のクセ」に気づき修正していくのは、時間がかかります。また、自分ひとりで進めるのは難しい場合があります。
なぜなら、自分の心に沁みついた考え方なので、これを変えようとすると混乱したり、不安になったりするからです。
そんな時だからこそ、カウンセラーとの対話が、大きな助けになります。カウンセリングで過去の自分を見つめながら、「思考のクセ」に気づき、行動を変えていくことで楽になっていきます。
カウンセリングを受けるタイミングではないし、時間もないという方は、焦らず、少しずつでも良いので、自分で自分を認めたり、ほめたりすることを習慣にしてください。
心のトレーニングだと思って取り組んで欲しいのです。
本当のあなたの「心の声」は、あなたを責めたり罰したりしません。いつもあなたの味方であり、あなたが心穏やかに、幸せでいられるよう応援してくれているのです。
まとめ
自分で自分を励ます方法を身につけよう


