第95話:良い人ではリーダーは務まらない!時には○○の態度で

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

ひとつの課題がクリアできると、次に新しい課題というものがやって
くることってありませんか。それを乗り越えるから、日々成長という
わけなんですけどね。

相談者のHさん。リーダー職に抜擢され、仕事もしだいに乗ってきて
楽しいし、まわりから期待の目で見られることも嬉しくなっているよう
です。毎日、充実した日々を送っていました。

ですが、その一方で、一回り年下の女性のチームメンバーのことを叱れない
と悩んでもいるんですね。どうやら後輩のその彼女の憧れの存在でありた
いために、「いい人」でいたいと思っているようなのです。

Hさんは、叱ることは、自分の容量が狭いのではないか?と感じてしまう
のです。特に最近、世間では「叱るのではなく誉めた方がいい」という
考え方が多いという印象を持っていらっしゃいます。

だから、叱ってはいけないとまで思い込んでいるんですね。でも、本当は
期待しているからこそ、もっと成長して欲しいからこそ、一度きちんと
叱らなければと思っているのですが、なかなか気持ちの整理がつきません。

リーダーシップもあり、まわりからの評価も高い女性にはありがちかも
しれませんね。そのまわりからのイメージに逆に苦しめられている。
そのイメージを壊してしまうのではないかという恐れ。

そんなHさんに伝えたのは、叱るのは反省して行動を変えて欲しいから、
もっと成長して欲しいからであれば、「育てる」という感覚に近いのではない
ですか?ということ。

Hさんは、その言葉を聞いて、こんな風に言われました。
「あ~、ホントそうですね。「育てる」って言葉を聞いて、私自身もこれまでの
上司に育ててもらってきたんだなって、思い出しました。」

「その上司は伝え方が上手だったので、私は「叱られている」という感じは
しなかった。どちらかというと「期待されている」って感じていました。
だからすぐに気持ちを切り替えることが出来ていました。」

叱るのではなく、期待しているから、行動を変えて欲しいから伝える。
育てるという感覚を持って気持ちを込めて上手に伝えることが大切なん
ですね。

具体的には、まず①期待しているということを伝えること、②性格ではなく
行動を叱ること、③具体的にどんな風に行動を変えてほしいのかを伝える
こと。この3つが効果的なんですね。

逆に、行動ではなく性格を否定するというのは、こんなようなことです。
例えばあなたが依頼した仕事でわからないことがあっても、相談にも来ない
で自分で判断して仕上げる人がいるとしましょうか。

そんな時、「相談しないという行動」を注意すればいいのに、相手の性格を
持ち出して、そもそも「自分で勝手に判断する性格」だから、と性格論に
すりかえて叱るようなことですね。 これは要注意です。

最後にHさんに伝えたのは、自分のセルフイメージはまわりが作るもの
ではなく、自分で作るということ。イメージに囚われすぎて、本来の
自分らしい行動ができなければそのイメージはふさわしくないのです。

「部下や後輩にとって物わかりの良い、いいリーダー」というイメージ
を、「相手のためを思って、育てる気持ちを持って的確に指導できるリーダー」
という風に自分でセルフイメージを書き換えてしまいましょう。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは
異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
叱るのではなく「育てる」と捉えて、的確に指導することに自信を持とう!

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