45歳になったTさん。
主任として管理部門で働いています。
Tさんの課には、Tさんよりだいぶ年上のベテラン社員の方もいます。彼は物静かで仕事が出来る方ではあるのですが、まわりのチームメンバーと積極的に会話をしない方なので、重要な情報共有が遅れてしまうことがあるのです。
そんなベテラン社員さんに向けて、Tさんは、必要な時に情報共有をしてもらいたいと伝えなければなりません。
ともすると、彼のやり方を否定することになるので、そう伝えたらよいのか、迷っていました。
40代となり職場での地位があがると、それに伴いまわりとの関わり方が変わってきますよね。チームメンバーに苦言を呈する必要がある場合もあります。
ですが、その相手がベテラン社員となると、伝え方が難しいと頭を抱えてしまいますよね。
実際に、彼は「ちょっと気難しい人」としてチームメンバーに認識されていました。もちろんTさんも、ちょっとやりにくい人だなと感じていました。
といっても、言うべきこと、伝えるべきことを言わなければなりません。
彼に苦言を言えないのは、相手が気難しいからだけではなく、年長の方に対する遠慮などもありますよね。
またTさんの「遠慮」が相手に伝わってしまうと相手のイライラ感情を助長してしまうこともあります。
「気を遣われているな」
「やりにくいと思われているな」
と彼が感じた時点で、ますます心を閉ざしてしまうわけですね。
結果的に、より「気難しい人」になってしまうわけです。
そんな時、Tさんはどう考え、どう伝えるべきなのでしょうか。
大事なのは、はっきりと、かつシンプルにお伝えするということです。Tさんの感じている「感情」と問題となっている「事実」を分けて伝えるということですね。
「事実」を伝えるときに、この方は気難しい、年上だから遠慮してしまうという「感情」が入ってしまうと、上手く伝えられなくなります。
シンプルに伝えた上で、あらためて考えて欲しいのは、Tさん自身の「感情」についてです。
実はこの感情を引き起こしているのは、相手ではなく、Tさん自身だからです。
Tさんの中にある「自信のなさ」や「年長者から反論されたら嫌だな」という感情は、相手の問題ではなく、自分の問題。
だから、この感情を整理して、彼への対応を変えたいのならば、Tさん自身が自分の内面をいったん見つめる必要があるのです。
それこそがまさに「カウンセリング」で扱うことなのです。
Tさんのお話を詳しく聞いていてわかったことなのですが、Tさんは入社してすぐに配属された部署で、ワンマンで一方的な言動をする上司に悩まされてきたのですね。
パワーハラスメントまではいかなくても、Tさんは、日々、上司に何か言われないかとビクビクして過ごしていたのです。
そんな過去が、いまだにTさんに年長の男性に対して苦手意識を持たせている理由かもしれません。
そのようなこじれた感情も丁寧に扱っていくと、ほぐれていきます。
なんとなく、モヤっとした感情を抱えながら仕事をしているという方で、自分と向き合うことでスッキリしたい!と考えているのならば、一度、お試し相談を受けられることをお勧めします。
こじれたままの未完了の感情を丁寧に聞き取りし、少しでもお気持ちが楽になれるようお手伝いをさせていただきます。
<実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>
まとめ
年下の部下に言いにくいことを伝える時はシンプルに。事実と感情は分けて伝えよう。