嫌われるのが怖い。まわりに合わせ我慢してしまうあなたへ

ハッピーハートコンシャス代表カウンセラー、臨床心理士/公認心理師の髙橋雅美です。

本音をいうと和を乱す気がして遠慮している。
自分の考えはあるけど、職場ではなるべく目立たないようにしている。
それは嫌われたくないから。
と感じていませんか。

つい最近の人事異動で、管理職になったばかりのPさん。これまでの頑張りが認められての抜擢でしたが、日々、精神的に疲れています。

Pさんはとても人当たりがよく、まわりから好かれ信頼される人。
だからこそ、これまでコツコツと実績を積み上げ社内での評価を上げてきたような方です。

ですが、管理職になってからというもの、これまで以上の精神的な疲労が重なっています。

なぜなら、Pさんは、リーダーとして「貴女はどう思いますか?」と自分の意見や考えを求められることが多くなったからなのです。

実はPさんが人当たりが良いのは、どちらかというと自分の意見を言わずまわりに合わせていたからなのですね。

特にまわりが男性の場合は、反対意見を言うことで、議論をしたり、対立することが増えると思い、極力避けてきたのだとか。

私自身もPさんのお気持ちが少しわかります。
「生意気な奴」
「可愛げがない」
「仕事がやりにくい・・・」
と思われるのではないかと、職場でとても気を遣っていた時代があったからです。

特に、私が社会人になりたての頃は、女性の総合職がまだ少なかった時代だったので、まわりの男性と上手くやっていくことがとても重要だと感じていました。

これは間違いではないですが、Pさんは今や管理職。リーダーとなり、意見を求められることが増えてきています。

Pさんの部下も、Pさんが自分の考えを持っているのか、堂々と意見を述べる人なのか、
ちゃんと「見ている」のです。

これからは愛想よくして、まわりの意見に合わせるだけではいけない!と思ったPさん。
でも、自分なりの考えや答えに自信が持てません。

また、自分が普段、あまり物事を深く考えていないかもしれない・・・ともおっしゃいます。

実はPさんはお父さんがとても厳しい方で、幼少時からお父さんが決めた通りに生きてきたのですね。

Pさんが自分の考えで行動するという機会はほとんどなく大きくなってしまったのです。

お父さんに嫌われたくないという強い心理が働いていたのです。

自分の考えを伝えると嫌われてしまう。
嫌われたら、自分が困ることになる・・という気持ち
がPさんの心の中に根強く残っているのですね。

「これまで人の価値観に合わせることが多かったので、自分の軸みたいなものがないというか、ブレていると感じるんです。」と話されます。

「そんな私に管理職が務まるのか?という疑問も湧いてきて、変わらなくちゃいけないとは思っているのですが。焦るばかりで。」と続きます。

これまであまりにも周りの考えに合わせてきたため、自分の感じ方や考え方に自信が持てない。そもそも、自分の好みや感情もはっきりとわからなくなってきた。

誰かが「これって楽しいよね!」と言ったら、「うん、そうだね。」と返して、自分も楽しいと思っていた。でも、本当に楽しいと思っていたのかどうかさえわからなくなってきた。

こんな風に思っている方は意外と多いのです。
そんな方が多くカウンセリングに訪れてくれるので、そう感じるのかもしれません。

とはいえ、今日からすぐに「自分の考えをはっきり言う」ことがすんなり出来るはずもなく、変わりたい!変わらなくちゃ!と思っていても、焦りや不安で上手く行かないと感じてしまうのですね。

そんな貴女が今日からできることを1つお伝えします。

それは、貴女のまわりの「素敵だなと感じる人」「心地良いと感じる人」を見つけるということです。

そして、その方を観察してみましょう。
もしかしたら、その人は、貴女が「心地良い」、あるいは「好き」と感じる考え方をしている人かもしれないからです。

まずは、貴女の中の「心地良い」とか「好き」という感情を大事にしてみましょう。

特に、「好き」とか「嫌い・苦手」という感情は、シンプルで強い感情でもあります。

日々、生活していく中で、仕事をしていく中で、「好き」「心地良い」と感じたことを記録してみましょう。

例えば、毎週1回、時間を作り、書き出してみるのです。

どんな考え、行動に「好き」を感じたのか。
「心地良い」と感じたのはどんな点なのか。

少しずつわかってくるからです。

それが貴女らしさであり、貴女がしっくりくる考えや行動だからです。

自分の軸はそうやって少しずつ作っていけば良いのです。

すぐに周りがあっと驚くような「哲学的な思考」とか「個性的な言動」が出来るようには
なりません。

自分らしい考え方を見つめることから始めてくださいね。

<実際の相談内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
自分の「心地良い」とか「好き」という感情を大事にすることから始めよう。

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