自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。
部下を褒めて育てるという風潮の中、逆に叱るというのが難しく
なってきています。ですが、叱るのは、怒るのとは別。相手の
成長を願って、行動を変えてもらうために指導することなのです。
ですが、上から目線の物言いは「パワハラではないか?」などと
言われることもあり、叱る、指導する時の伝え方に気を使う管理職は
多いと感じています。
もちろん、普段から信頼関係が十分にあれば問題ありませんが、
叱ることを「人格を否定された」と勘違いされてしまっては、
こちらも萎縮してしまいますね。
一方で、言われた方も最近は「あれはパワハラだと思う」という
相談も増えてきているという印象を持っています。何か自分が
ミスをしてしまい、一度上司から注意された・・・・
それがパワハラだというのです。確かに言われた部下の方の
言い分を聞いていると、上司がかなり感情的になり、ビジネス
の場では不適切な発言をしていることもあります。
ですが、本来は、管理職が、部下を叱る、指導する理由は、
先にも書いた通りで「相手に行動を見直し、変えてほしい」から
ですよね。
そのゴールを目指すのであれば、まずあなたがするべきことは、
相手の行動に対して自分がどのように感じているかという「感情」
を伝えることです。
「困っている」「残念に感じている」などの自分の感情です。
次に、具体的な「行動」を伝えます。「だから、○○のようにして
欲しい」と依頼するのです。
最後に、相手が納得し受け入れてくれたら、感謝を伝えます。
「わかってくれて有難う。」と。あるいは、相手を勇気づける言葉でも
良いでしょう。
「あなたのことだから、出来ると信じていますよ。」というような
言葉がけをするのです。この最後の言葉がけが信頼関係構築のため
に必要な言葉がけです。
1. 自分がどのように感じているか「感情」を伝える
2. 具体的にこのように行動を変えてほしいなどと依頼する
3. 感謝を伝える、あるいは勇気づけの言葉がけをする
この3つのステップが大切なのです。
実は、これらは、アサーシションという伝え方に基づき、筆者が
セミナーやカウンセリングでお伝えしている方法です。言いたいことも
言うけど、相手にも配慮するという伝え方です。
逆にNGなのは、頭ごなしに否定する、相手の言い分を全く聞かずに
一方的に命令口調で責めたてる、相手が変わって当然という態度で
伝える、攻撃的な伝え方です。
攻撃的な伝え方は、一時的に部下が言うことをきいたとしても、
信頼関係を築くことは難しいでしょう。そして、いつ、パワハラだ
と言われるかもしれませんので、ご用心を!
まとめ
部下を叱る時に必要なのはゴール設定。上から目線の暴言にご注意!