第76話: 悩んでいる部下を励ましてはいけません!傾聴の極意とは

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

企業様向けの研修をさせていただく機会がここのところ増えてきて
います。その中で「傾聴」についてお話をすることもあります。
心を傾けて相手の話を聴くということですね。

傾聴のスキルとして、大切なのは以下のようなスキルです。

  •  声のトーンや大きさなど相手に合わせること
  •  うながしやあいづちをすること(うんうん、なるほど、それで?など)
  •  相手の話した内容や感情を伝え返すこと

相手が話していることに、自分は別の考えを持っていたとしても、
(私はそうは思わないけど・・ここまでココロの声)「あなたはそう
思っているのね」と伝え返すことはできますね。

感情についても、相手がはっきりと言わなかったとしても、想像して
「それは大変だったね。辛い中よく頑張ったね。」と声をかけることも
できますね。この感情をフィードバックすることはとても大切です。

逆に、やってはいけないことで、よくやられていることが以下の2つ。

  •  「そんなに深刻に考える必要ないよ」とごまかしてしまう
  •  「あなたは出来ないというけど、そんなことないよ。」と励ましてしまう

特に落ち込んで元気のない相手、例えばあなたの部下が
「やっぱり自分には無理でした。もう出来ません・・」と言ってきたとしま
しょう。そこで「いや、そんなことないよ」と励ましていませんか。

実はこれ、部下の気持ちを否定しているんですね。だから励まして、元気づけ
たいと思って発した言葉であったとしても、あなたが本心から「そんなことは
ない」と思っていたとしても逆効果になることがあります。

否定されると相手は心を閉ざすか、あるいはもっと強い調子で「そうなんです!」
などと自分の気持ちを受け取ってもらおうと必死で抵抗してくるものです。
だから、安易に励ましてはいけないのです。

なら、どうしたらよいのか。
それは「そうか、君は今回のことで自分には無理だと思っているんだね」
と相手の気持ちを受け止めるのです。

そうやって、部下の言い分、気持ちを十分に吐き出してもらったうえで、
「だけど私は、あなたには出来ると思っているよ。なぜなら・・」と
話せばいいのです。

良かれと思って相手を励ましてきた方は要注意です!
あなたの考えや意見を伝える前に、相手のありのままの気持ちを受け止め
てあげましょう。それが傾聴スキルの基本です。

まとめ
相手の気持ちを否定していないか要注意。まずは言い分や感情を聴くこと!

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