第82話: 上司の理不尽な態度にイラつく!被害者にならない方法。

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

先日のご相談は、会社上司からの理不尽な態度、依頼について、
どう対応したらよいかというものでした。詳細の内容は記載できま
せんが、確かに一方的な対応だと感じました。

その背景をうかがっていくと、どうやら感情のこじれがあるようなの
ですね。平たく言うと、上司の方が、以前のある出来事に対して
根に持っているという感じなのです。

つまり、前回のミスの落とし前をつけてくれ、というわけなんですね。
この上司の方はとてもプライドが高い方のようで、部下のIさんの
ミスが自分のキャリアに傷をつけたと信じ込んでいるのです。

であれば、どうしたらよいか。実はIさんは、上司のそのまた上の
上司のこのことを相談したのです。ところが、その上司、部長と
しましょうか。その方が本人に伝えてしまったのですね。

そのことを知ったIさんの上司は、ますます激昂し、Iさんを
呼び出し、一方的にまくしたてました。私が相談を受けたのが、
ちょうどこの時期でした。

当初は不安で、部長に相談してしまったものの、上司の性格から
いってまずい対応だった。ますます相手を怒らせてしまったと
Iさんは後悔していました。

自分で自分を追い込んでしまったと悩むIさん。二人で上司に
どう対応すればよいのかを考えました。さて、皆さんだったら
どう考えますか。

相談者のIさんは、頭の良い方で、自分の上司の度量も見抜いて
いました。なので、今回、この理不尽な対応に真正面から正論で
意見を申し立てることが得策ではないと考えていたのです。

それに部長経由で上司の耳に入ったことで、相手が余計頑なに
なっていることがわかります。正攻法では、相手の防御が強くて
ますます険悪な関係になってしまうでしょう。

このような時、自分の言い分を100%わかってもらうことを
ゴールにしないほうがよいことがあります。Iさんが自分の正当性
を言えば言うほど、相手は受け入れない姿勢を強くするのですね。

「北風と太陽」ではありませんが、こちらの言い分をきいてもらい
たい時は、最初に相手の言い分を聞くのです。反論せず、話したい
ことを話してもらいましょう。

そうすると相手は、気持ちが落ち着くものです。そして、その後は心に
余裕が出来ます。しかも話を聞いてもらい受け入れられたと感じると、
人は、今度は受け入れてあげようと感じるものなのですね。

「お返ししよう」とする心理が働くわけです。そうなって初めて、
できれば○○して下さいと依頼するのです。それも100%は難しい
のですから、どうしても譲れないことを依頼しましょう。

これが対話による「折り合い」ということなのですが、相手が頑な
であれば余計に、まずは相手の話を聞くという姿勢が大切なのですね。
さて、Iさん、心が決まったようです。

理不尽な対応であると認識しつつも、まずは譲れないことだけを
依頼してみることにしました。と同時に、上司の理不尽な対応について
今後、詳細を記録していくことにしたのです。

泣き寝入りはしたくない、でも今は真っ向から対立することも得策
ではないと結論づけたのはIさん本人です。これまで被害者という
立場でしか捉えていなかったことを客観視できるようになりました。

自分の主張を通したいと思ったら、まずは相手の言い分を聞くこと。
相反することのように感じる方もいるかもしれませんが、これが「押す」
だではなく「引き」を活かした折り合い術なのです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは
異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
理不尽な相手であっても、交渉する時は相手の言い分をきくことから始めよう!

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