第116話: 職場や仕事の不平不満。上司への伝え方を間違えないで!

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

今年4月に産休から復帰したと同時に職場が異動になったNさん。
子ども二人の子育てとの両立に奮闘する毎日ですが、夫の協力も
あり、日々なんとか頑張っています。

Nさんは30代後半になり、職場でも大事な仕事を任されるように
なってきています。が、本心は「子育ての時間をもっと確保したい」
と思っていました。

そんなある日、もう子どもにそれほど手がかからなくなったNさん
の先輩が支店長に「この仕事は自分には合わないから他の人に任せ
たい」と言っているのを耳にしました。

そしてその候補としてNさんの名前が挙がったとのこと。Nさんは
動揺してしまいました。と同時に先輩の発言が、後ろ向きで、やる
気がないように聞こえたといいます。

こんなやる気のない先輩より少ないお給料で頑張っている自分は
これで良いのだろうか。もっと自分の主張をした方がいいのでは
ないかと悩みはじめました。

さて、こんな時、貴女ならどのように行動しますか。
我慢してそのまま仕事を続ける、でしょうか。
支店長に、現状への不満を伝えて改善してもらいますか。

カウンセリングでNさんと一緒に解決法を考えました。
結果は、上記のいずれでもありません。支店長に伝える
ことは変わりませんが、不満を伝えるのではありません。

では何をどうやって伝える?を考えるために行ったのが
Nさんへのキャリアカウンセリングです。Nさんに対し
将来のキャリアについて希望を語ってもらいました。

いつまで育児を優先した仕事をしたいのか。その後は
どんな働き方がしたいのか。将来どんな仕事をしてみた
と思っているのか、などなど聞き取りをしました。

実はNさんは現状の不平不満に囚われてしまい、この
ようなことを考えたことがなかったのですね。なので、
しばらく言葉が出てきませんでした。

その後、返ってきた言葉は、「下の子どもが小学校にあがる
までのあと2年は、子どもとの時間を最優先にしたい。で
もその後は、もっと仕事に力を入れていきたい。」でした。

しかも、将来やりたい仕事は会社の環境整備に関わる仕事
だとも。そうなると、現在の仕事の内、一部はNさんの
キャリアにとって大変意味を持つことがわかってきました。

そこで、将来のキャリア構築に大切な仕事の内容は、子育て
と両立しながらも自分で頑張ってみることにしました。それ
以外の異動時点で引き継いだ仕事はサポートを依頼することに。

「そうか、自分はこう感じていたんだ、こう考えていたんだ」と腑
に落ちたのでしょう。自分の仕事量や仕事の内容、やる気のない先
輩に対し怒りや情けなさを感じていた気持ちに変化が出てきました。

目の前にある現実にだけ囚われ、不平、不満の感情に振り回されて
きたNさんとは全く表情が変わりました。なんだか吹っ切れた様子
で、「やる気のない先輩とは次元が違うんだ」という発言も・・・

全てがNさんの思う通りに運ぶとは限りませんが、支店長に相談し
してみることになりました。しかも相談内容は不平や不満ではあり
ません。自分のキャリアを考えた前向きな提案です。

ここまで要した時間は1時間程度。4月からずっと悩んでいたN
さんでしたが、気持ちがスーっと楽になったのです。おそらく
将来の自分のキャリアを考えてみたことも効果があったのでしょう。

カウンセリングの最後に、Nさんは、「早速自分のやりたいことを
箇条書きにしてみます」と語られました。より一層、自分の考え
をクリアにしてみたいとのこと。

支店長に相談するにしても、不平や不満を訴えるのではなく、現在
の悩みを打ち明けながらも、改善策として前向きな提案をしてみる
のでは雲泥の差なのです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった
形で書いております。何とぞご了承ください。>

まとめ
上司への相談は、不平不満を伝えるのではなく前向きな提案をしよう

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