第79話: 仕事を任され断れない。能力があるからこその悩みとは?

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

Gさんは、職場では能力が高く仕事ぶりを認められている方です。
しかも大変な頑張り屋さんで、いつも120%くらいの力で仕事に
取り組んでいらっしゃいます。

一方で、本人としては、もう少し上手に断ることが出来たらいいのに
なあ、とも悩んでいます。同僚からは何でも相談され、時には仕事
のサポートもお願いされ、引き受ける一方なのですね。

そんなGさんの頑張りぶり、働きぶりは、当たり前のようになって
きているそうで、最近では上司からの評価も高くないのだそうです。
どうやら頑張るGさんの姿が「普通」のことになっているのですね。

さて、そんなGさん、実はこれだけ頑張っているのに、昇格でき
なかったことに大変がっかりきています。あまりの仕事量に体力
気力を使って疲れてもいらっしゃいます。

私への相談は、どうやったら仕事を上手に断れるかということ
でした。話を伺っていると、確かにGさんは、本来するべき仕事
に加え、どんどん仕事を引き受けているのですね。

だけど、「良い人」でいたいため断れないのです。また、心のどこか
で、頑張った分が評価されるに違いないという気持ちもあるようです。
ですが、結果は疲弊し、昇格もできなかった・・・

まずは、自分のするべき仕事に集中して取り組んで、きちんと成果を
出し、認めてもらいたいと話されました。そのために出来る事は?
とうかがうと、「上手に仕事を断ること」とおっしゃいます。

カウンセリングでは、一緒に解決法を探るということも行います。
カウンセラーの質問に答えていく途中で、問題が整理されたり、
出来る事、出来ない事がわかったりします。

そのようなやりとりの後、Gさんと決めたことは・・・・・
まず、普段から自分の仕事量を数字で表すようにすること。例えば
今、100のうち90になっている。余りは10である、という風にです。

それを日々意識すること、そして同僚から仕事のサポートを求められ
たら、10だけを引き受けること。もし20が来てしまったら、引き受け
られない10をどう対処するかを考えること、と決めました。

実際には、何が20で、どのくらいが10にあたるのかというのは、Gさん
しだいなのですが、仕事量を常に50とか、100とか、あと10は大丈夫
などと考えることで、自分ができる「加減」がわかってきたのです。

その上で、引き受けられない分が来たら、まずはNOと言って引き受け
ないこと、次に他の誰かにサポートを依頼するなどしてどう対処すれば
いいかと冷静に考えることにしました。

例えば、一時的にでも他のグループから加勢してもらうなどと
上司に依頼してみることにしたのでした。さらに、上司に対しては、
引き受けるのではなく仕事量や職場環境を調整できる力をアピール。

次回は、その力を評価してもらうと決めたのです。やるべき目標が
決まったGさん。普段もあまり仕事量を増やすことなく、しだいに
プライベートの時間も上手に取れるようになってきたのです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは
異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

 

まとめ
仕事を断れない人は、仕事量を数値化して調整する力をつけよう

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