第112話: 部下からストレスの原因はあなたと言われた。どうする?

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

42歳で管理職歴2年のNさん。1年目は、戸惑うことが多く、あっ
という間に過ぎてしまったとおっしゃいます。2年目に入り、だい
ぶ慣れてきたと思った矢先の出来事でした。

部下のJさんとの個別面談があり、彼女が最近、少々体調を崩して
いると聞きました。きちんと医療受診もしているとのことで、ひと
安心したものの、彼女から気になる言葉が・・・

なんと、「Nさんとの会話にストレスを感じている」と言われてしま
ったのです。Nさん自身も確かにJさんの態度にちょっとした不信
感を持っていました。

というのも、Jさんは、Nさんと話すとき、ほとんど目を見ません。
いつも自信がない様子でもあります。実はNさんは、とても声が
大きく、自信に満ちた話し方をされるのです。

カウンセリングでも、普段からこのような話し方をするのであれば、
部下は萎縮してしまうのだろうなあと思う時もしばしば。恐らく
部下のJさんは、そんな彼女の態度に圧倒されてしまうのでしょう。

Nさんは当初、Jさんとの関係を良くしたいと思った故なのですが、
何かにつけてJさんとコミュニケーションを取ろうとしていました。
ですが、それがJさんをストレスになるほど追い込んでいたとは・・

とすっかり自信をなくしていました。職場において女性同士という
のは、なかなか難しいものです。つまり、キャラが違ったり、価値
観が違うのに、自分はこうだったから相手も・・と思い込んでしまう。

Nさん自身も管理職として部下をマネジメントすることばかりに気を
とられていたのも事実です。Jさんの発言を受けて、逆に少し
距離を置くことにしてみました。

そしてJさんとタイプが似ている、より年の近い別の部下にJさん
のメンターのような存在になってもらうことにしたのです。Jさん
はメンターに支えられ、しだいに自信が持てるようになりました。

ここまでくるのにはNさん自身の葛藤もありました。つまり、Jさ
んのことを他の部下に任せたくないという自分の気持ちに折り合い
をつける必要があったのですね。

これは部下のJさんの問題ではなく、上司のNさん自身の問題で
す。なんでも自分でやろうとしてしまう、そうでないと気が済まな
いと思っていたのです。

カウンセリングで、Nさんの気持ちも大切にしながら、Nさんの
ビリーフ(思い込み)に気づき、それを手放すことに時間をかけ
ました。

さて、このNさんの経験から言えることがあります。1つは、管理職
として、全て自分で解決しようと決めつけないこと。柔軟な考え、
対応を大切にしましょう。

そのためには、普段、自分がどんな思い込みをもっているのか知っ
ているべきです。○○すべき、○○ではないと気が済まないといった
ことはありませんか。

そして、その思い込みを誰かに押し付けていないか、日々、確認
するのです。Nさんの場合は、実は自分の価値観をJさんに押し付けて
いたということが多々あったのですね。

部下が自分と同じ考え、価値観を持っているとは決めつけないこと
です。女性同士である場合は特に注意が必要です。良かれと思って
部下や後輩に自分の価値観を押し付けてしまうことがあるからです。

まだまだ職場で女性はマイノリティです。同じ課で働くなど身近
にいる女性が自分と異なるタイプであったら、そのことをまずは受け
入れ、その上で関わることが求められているのです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった
形で書いております。何とぞご了承ください。>

まとめ
タイプの違う職場の人間関係。思い込みに気づいて柔軟な対応を。

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