第161話:不安に苛まれて、事実が歪んでみえる時の対処法

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)、ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

今日は「事実」と「感情」を分けて、自分の感情を上手にコントロールする方法をお伝えします。わかりやすくするために、ここでA子さんに登場してもらいます。

A子さんは40代で、小学6年生になるお子さんが一人いらっしゃいます。お子さんはとても活発な男の子で、いつも元気いっぱい。学校でも中心的な存在です。

そのためお友達も多いのですが、ひとたび、自分の思い通りにいかないことがあると、その感情をコントロールできなくなってしまうのです。といっても小学生のことですから、一人で怒ったり、泣いたり、ふてくされるなどするという程度で、お友達に手を上げるということではありません。

ですが、A子さんはそのことをとても心配していました。そこで担任の先生やスクールカウンセラーに相談しながら、息子さんをずっと見守ってきたのでした。息子さんにどんな対応をしたのかは、ここでは割愛しますが、しだいに落ち着いて自分の気持ちを話せるようになったのです。

先生もスクールカウンセラーも、彼の以前出来なかったことが出来るようになったことをとても評価していました。ところが、A子さん、中学生になったらどうしようと将来の心配ばかりが続いています。

考えすぎて、しまいには夜眠れなくなってしまったとのこと。カウンセリングでは、ひとしきり、息子さんが学校でどんなことをしているのかを詳細に語られました。そして、「息子は大丈夫でしょうか?」と聞かれました。

私が答えたのは、「息子さんは少しずつ落ち着いて自分の気持ちをコントロールできるようになっているし、見守ってくれる大人もいるから大丈夫でしょう。大丈夫ではないのは、A子さんですよね。」ということ。

A子さんは、「息子さんが以前より出来るようになっているとう成長」が事実であるのにも関わらず、「不安」という自分の感情と切り離せないでいるのです。

不安が高じてしまい、事実を正確に受け取れていないというわけです。そして自分の不安を「息子が心配」と感じることで、正当化してしまっているのです。

実はこのようなことは、不安を感じやすい方にはよくあることなのです。不安に苛まれて、困り果てているのですが、その理由を整理しながら聞いていくと・・・不安に感じる要素はあまりなかったりします。

自分が不安でたまらなくなったら、その感情を少し脇に置いておいて、目の前の「事実」がどうであるかを、できるだけ客観的に見直して欲しいのです。客観的にできないという方は、どなたか家族や信頼できる友人、知人に聞いてみましょう。

自分が不安に感じるのは、事実を歪んで受け取っている場合もよくあることです。まずは事実と感情をわけてみること、そして事実のみを客観的に見てみることをやってみてください。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
不安が高い時は、不安に感じる「事実」を客観的に見てみること

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