第89話: 悩みの解決法を他人任せにしない!それが解決への近道

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

カウンセリングって、メンタルになんらかの不調がある人が受ける
ものなんですよね?という質問、実はわりとあるんですね。
悩みがある時、不調の時に受けるものという誤解です。

実際、あまり不調がある場合はカウンセリングは不適切なんです。
カウンセリングでは、たいてい50分~60分の間、カウンセラー
に対して話をすることになるわけです。

実はそれってかなりのエネルギーが必要なんですね。なので
体調が不安定な方には負担が大きすぎるのです。だから、
体調も比較的安定していることが大切なんです。

さらに、自分の悩みに向き合える準備の整った方、悩み解決の
ための力がある方に向いているんです。といってもカウンセラー
がアドバイスすることはあまりありません。

一緒に解決法を考えたり、悩んだりすることはありますが、一方的に
解決法を示して「こうすれば大丈夫ですよ」とアドバイスをするもの
ではないんですね。

ただ気持ちの切り替えかた、例えば前向きに考えるヒントが欲しい、
とか、モヤモヤの気持ちの整理がしたいという方には、そのお手伝い
をしたりヒントをお伝えすることはあります。

先日のご相談は、職場の人間関係で悩んでいるHさん。彼女は
最初から「どうしたらいいのでしょうか?解決策を教えてほしい。」
という感じてカウンセラーに依存的な態度がある方だったのです。

そのHさんの誰かに頼ってしまう、それが裏切られたと感じると
一転して被害者意識を持ってしまうという考え方や行動のパターン
がそもそも人間関係を難しくしていたのです。

ですが、最初にそれをお伝えしたところで「そうですね、わかりました。」
を受け取れないわけです。なので、最初はいったいどんなことが
起こっているのか丁寧に聞きとりをしていきました。

次にどんなことに困っているのか、悩んでいるのかをうかがって
いくと、今回Hさんに降りかかった出来事は、確かに不運だった
というか残念な体験だったということがわかってきました。

職場のストレスが原因でうつ状態になっていた同僚の方に、一方的に
悪者にされてしまったようなんですね。同僚の方は、治療はしていた
のですが、心の状態が不安定だったのでしょう。

Hさんのことをある時から急に無視しはじめ、会話もしなくなった
とのこと。Hさんをまるで悪者扱いしたそうなんですね。
その結果、Hさんから離れていった同僚もいたそうです。

Hさんは、興奮気味に「どうしたらいいのでしょうか?」と
カウンセリングに来られたのでした。Hさんがどうしたいのか?
を聞いていくと、返ってきた答えは・・

同僚とは今後距離を置き、親しくつきあうつもりはない
離れていった同僚たちにも未練はない
というのです。すでに自分の中で答えが出ていたのですね。

ですが、モヤモヤした気持ち、くやしさ、悲しさという感情を
処理しきれなかったようなのです。確かに自分ひとりで考えて
いても堂々めぐりしてしまうことはありますよね。

カウンセリングを通じて二人で出した答えがこれ。
まずは溢れだす気持ちは否定しないこと。辛い時は信頼できる
誰かに聴いてもらうこと。どうして?という理由や原因探しは
しないこと。

そして、最後に、この出来事から得たことなど、何かポジティブな
ものを見つける努力をしてみることの3つでした。Hさん、
今回は解決法を誰かに依存するのではなく、自分でも考えたのです。

カウンセリングでは、そのHさんの問題解決できる力を信じて
少しだけお手伝いしたのでした。その後のHさんは、これまで
距離があった別の同僚の良さに気づけた様子です。

解決法を他人任せにするのではなく、また起きた出来事をマイナス
の方からだけ受け取るのではなく、何かプラスの方から見てみる
と意識と行動を変えたのが良かったみたいです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは
異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

まとめ
カウンセリングは問題解決の力がある人の役に立つ。
出来事をプラスの方からみるという工夫もしてみよう!

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