第107話: 自信満々なあの人。心の中は○○でいっぱいという事実!

自分関係®カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

Dさんは、20人以上の部下を持つ部長職です。部下の1人である
20代後半の女性、Eさんが悩みのタネ。実はこのEさん、上司の
助言にほとんど耳を貸さないのだそうです。

つまり上司のアドバイスはほとんどスルー。自分に自信満々で、
仕事にも外見にも自分なりのこだわりがある様子。そのため、助言
をすべて批判と取ってしまうのだそう。

「私はそう思いません。どうして○○しなければならないのですか」
と食ってかかる勢いのある物言いをすることもあるとのこと。
批判は絶対に受け入てない、自分が正しいに決まっている!

というほどの態度です。
さて、このEさんを自信に満ちて素晴らしい人、と思いますか。
いえいえこういう人ほど、本当は自信がない人なんですね。

そのカラクリはこうです。Eさんが助言を全て自分への批判だと
感じてしまうというのは、これまでEさん自身が、これまで過去に
何度も批判されて、否定されてきた過去がある場合があります。

つまり、私たちは、自分と違い考えや価値観、やり方があるのは
あって当然。いろいろ違うよね、とココロのどこかで感じられてい
るはずなんです。

ところが、これまで自分を否定され、批判されてきた人は、自分と
違うことが、大きな脅威となってしまうのですね。言い方を変えれ
ば、攻撃しなければ自分の敗北を認めることになってしまうのです。

実際は敗北でもないのですが、「違い」を認めることが難しい方なの
です。自己肯定感が低い場合もあります。自己肯定感が高い人は、
「そういう考えもあるよね」と思えるのです。

Eさんのような部下を指導する立場である場合、あるいは逆にEさ
んのような上司のもとで働く場合、その相手は「自己肯定感が低い」
人だという認識を持った方が良さそうです。

そのため、攻撃されたら、それに真っ向から向き合わないことです。
批判や非難にあっても、それに乗らないことです。逆にEさんに
対して「あなたはそういう考えなんですね。」と伝えましょう。

そのように一旦受け止めると、相手は安心します。攻撃してこない
と感じるからです。その上で、「あなたの考えはこんなことが素晴ら
しいと思う。だから○○ができるともっと素晴らしくなる。」

などと、相手を肯定していく形で伝えるのが効果的です。
上司の場合も基本は同じです。「そういう考えでおっしゃっているの
ですね。」と受け止めた後に自分の考えを伝えてみましょう。

Eさんのような自己肯定感が低い人が、常に攻撃的になり、モンス
ター化している現状も良く耳にします。相手の理不尽な言動には
真っ向勝負すると、相当なエネルギーを消耗します。

その覚悟があれば良いですが、相手のココロの状況を客観的に把握して、
上手にコミュニケーションを取ってください。具体的には、否定された
と感じないように部分的に肯定することから始めると良いでしょう。

自分を否定されることに常に不安感を抱いているようなEさん。
実は自信満々ではなく、自分に自信がなく常に不安を感じている
ような人だということを忘れずに関わりましょう。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは異なった
形で書いております。何とぞご了承ください。>

まとめ
理不尽なほど「正しさ」を訴える人は不安に脅えていると心得よう

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