相手の感情に焦点をあてて傾聴してみよう

自分関係®改善カウンセラー(臨床心理士)
ストレスフリーアドバイザーの髙橋雅美です。

前回は、問題解決のために原因追究するだけではなく、
視点を変えて「傾聴してみよう」とお伝えしました。
今回は「傾聴」について考えてみましょう。

私たちカウンセラーは、「傾聴」について様々な訓練を受けます。
基本なのですが、本当に難しいと実感しています。
オウム返しや相槌を打つだけが傾聴ではないのです。

派遣社員としてチームに貢献してくれているDさん。最近は、なぜか
ミスが続いています。あなたは社員としてDさんの指導役を任されて
います。なので、どうしたのか?理由を聴いてみると・・・

言い訳が出てくる、出てくる・・・という時、どうしますか?
相手に共感しなくてはいけない、なんて考えているとしんどくなり
ますね。さらにはイライラが募ってくるかもしれません。

ただ、普段は真面目に仕事に取り組んで、職場での評価もそこそこ
高いDさん。何があったか?と気になりますね。そんな時、どうか
相手の話している内容に振り回されないで欲しいのです。

言い訳を傾聴するのではなく、言い訳をしてしまうDさんの「感情」
を聴いていくのです。「そっか、最近は時給があがらないのに自分ばかり
仕事量が増えて納得いかないという気持ちがあったんだね。」

「その気持ちを誰にも言えずに、モヤモヤが溜まっていって、そんな状態
を引きずったまま仕事量をこなすことで精一杯で、わかってもらえない
疎外感のようなものを感じていたんだね。」こんな風にです。

正直、これは簡単ではありません。相手がなぜこんな言動をしている
のか、その時どんな気持ちなのかを推し量って、それを伝えていく
ことだからです。

原因は仕事量なのかもしれませんが、もしかしたら、「わかってもらえ
ない疎外感」かもしれません。そんな時、指導役であるあなたが
その気持ちを傾聴し共感してくれれば、相手は安心するのです。

実際には、Dさん自身が、どんな気持ちなのかわかっていない場合も
あります。そんな時に、あなたがその気持ちを伝え返すことで、
Dさんが自分の本当の気持ちに気づくこともあります。

「仕事の結果ばかり気になっていたけど、Dさんがそこまで
追い詰められ、疎外感まで持っているとは知らなかった。」
そんな一言が結果的に「問題解決」になり得るのです。

<相談内容は、守秘義務を遵守するため、実際の内容とは
異なった形で書いております。何卒ご了承ください。>

今日の一言メッセージ
相手の話の「内容」だけでなく、「感情」にも注意を向けてみよう

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